北海道自転車旅行 -11日目-
<2005.8.27-9.7 Sat-Wed>


2005/9/6(火) 11日目 北海道豊富町〜稚内市




10日間走ってきて、いよいよ最終日である。
ついに、日本の最北端へ手の届く距離までやってきた。
一昨日のko-1の適切な助言もあって、今日は余裕を持って宗谷岬へ到着できそうだ。

起床時刻は6:15、早速テントを畳み、出発の準備をする。
自転車に荷物を載せ、走る体勢へ。
この時間でもすでに20℃近くになっていたので、いきなり半袖にハーフパンツの格好で走る。走り出しはちょっと寒いが、今日の天気は快晴ということもあり、日差しもあってすぐに温まってくる。まさに今日の天気は「快晴」である。真っ青に抜けるような青空だった。旅行の序盤は雨に降られたりと天気には恵まれなかったが、ここへ来て連日の晴天に恵まれ、もう文句はない。


    
-(左)柱の影でテント設営                 (右)幌延地区ガイドマップ-



と、ここでko-1の自転車にトラブル発生。荷台のネジがなくなってしまっていたのだ。致命的なネジではなかったようだが、不安定な状態で走るわけにもいかないので、周辺を捜索。しかし、見当たらないので、代わりのネジを探す。私の自転車のベルを固定していたネジがぴったりだったので、とりあえずそれで応急的に対応することにした。幸い、がっちりと固定できなくなったものの、ベルはハンドルバーに取り付けたままで使用には問題なかった。

出発は、7:55であった。宗谷岬まで70kmと見積もっても、15時には到着できるので、今日は余裕を持って走ることができるだろう。

目の前の40号線を再び北へ。近くの町は豊富。とりあえずそこまで走り、コンビニで朝食にすることにした。…そこにコンビニがあれば――という話であるが。

走り出してすぐ、左手にはサロベツ原野が見える。さらにその先には、利尻富士の姿も見える。右手には、放牧地があり、牛が放されていた。


    
-サロベツ原野と利尻富士-



出発して30分ほどして、豊富町へ到着。小さな駅であったが、駅前にはいくつかのお店をみつけた。が、コンビニが見当たらない。…嫌な予感が脳裏をよぎる。とりあえず、Googleローカルで、コンビニを検索してみることに。すると、少し先の40号線沿いにセイコーマートがあるとのこと。…と、検索してすぐ、目の前にそのコンビニを発見することになる。まぁそういうことはよくあるものだ。

そこで、いつもの朝食メニューを食べる。外の段差に腰掛けて食べていたのだが、風が涼しいけど日差しは真夏であった。照りつけられて温められた肌を風が冷やしてくれる、そんな感じがした。

ふと地図を広げると…もう間もなくだ。北海道のかなり北のほうへ走ってきたという実感が沸いてくる。ついに最北端へ。

8:55にコンビニを出発して、40号線で稚内方面へ。
すでに、40号線の案内板には稚内の表示が残されるのみである。まさに「終点」を感じさせる。

辺りは平原で、牧草地が広がっていた。涼しげな風を切りながら走っていく。自転車で走るには最高のコンディションだった。最終日にしてこのコンディション、運がよかったとしか言いようがない。

1時間ほど走ると、怪しげなパーキングを発見。その名も「開源パーキングシェルター」。まさにシェルターになっていて、左側(西側)には駐車帯がある。雪崩や落石があるようなところでもないし、何のために設置しているのだろうと考えてみたが、豪雪…以外には思いつかなかった。
ということで、中に入ってみる。というよりも、ここを通らないと先に進めないので、通る。
すると、中ほどにトイレを発見。ついでなので、トイレ休憩ということにして、立ち寄る。


    
-(左)残すは稚内のみ          (右)開源パーキングシェルター-



さて、あまり長居はしていられないので、出発。引き続き40号線を走っていく。

大きなアップダウンもなく、10:10に稚内市へ入る。


    
-(左)いよいよ稚内市へ       (右)牛の横断に注意しないといけないらしい-


    
しかし、稚内市に入ったといっても、まだまだ市街地までは遠い。先を見ても、海が見えそうな気配もなく、ただ丘が見えるだけである。
左手には大きな風車がまわっていた。風は、わずかに追い風といった感じであり、最高のコンディションだった。

突然姿を現した大きな上り坂を越えると、その先には市街地と、海が見えてきた。ようやく、稚内の市街地へたどり着いた。

11:10には、稚内駅方面と宗谷岬方面への分岐点に到着。ここまでの走行は43.8kmであった。案内板が、英語だけではなく、ロシア語併記だったのが、この土地柄を感じさせる。


    
-(左)この坂を下ると、稚内の市街地へ    (右)市街地と宗谷岬への分岐点-



ここで、宗谷岬方面へ曲がり、最北端を目指して海岸線をひた走る。実は、ここからが結構な距離で、地図上の目測では30km程を見ていた。…2時間くらいである。

漁港の雰囲気を漂わせる稚内の街を抜けて、遠くに見える最北端の地を目指して走る。
しばらくすると、海岸線がはるか遠くまで見渡せるようになった。…遥か彼方には点になってしまった建物が見える。ここからかなりの距離があることをうかがわせる。しかも、遠く先が見えるということは景色がなかなか動かないので、精神的にあまりよろしくない。
水平線の向こうには、樺太の地を見ることができた。この目で見た初の異国の地。…というと大げさかもしれないが、海外に出たことがない私にとっては新鮮だった。


    
-(左)オホーツク海             (右)遥か先まで見通せる-



ということで、海岸線沿いをひたすら走っていく。
少し、南側から雲が広がってきた。うっすらとした雲であったが、時間が経つにつれてそれは次第に厚く、広がっていった。とりあえず、宗谷岬へ着くまでは、なんとか持ちこたえてほしいと祈りつつ走っていく。

途中、黒磯小学校付近を12:15に通過。走行は59.6kmであった。その先で、朝にコンビニで買った納豆巻きを食べて少し腹ごしらえ。もう一息である。

海岸線沿いに走ってくるときに見えた先端はまだ宗谷岬ではなく、そこを越えた先になる。


    
-(左)まる@走行中             (右)宗谷岬は近い-



風はいつの間にか向かい風になっており、海から吹きつける風にエネルギーを奪われる。
ゆっくりと走りながら、だんだんと近づいていくその地を見る。

その途中、「間宮林蔵渡樺の地」という看板と、モニュメントを発見。とりあえず写真に収めてみる。


    
-間宮林蔵のモニュメントと案内板-



その先に見えていたのは…いつか写真で見た宗谷岬のオブジェそのものである。
だんだんと近づくにつれ、感慨深くなっていく。


    
-(左)宗谷岬が見えてきた         (右)ついに到着-



そしてついに、目標の宗谷岬へ到着。神奈川から走ってきて、実に1400km以上の道のりだった。
駐車場へ入り、日本最北端のオブジェへ向かう。時刻は13:15であった。走行距離は71km、稚内の分岐点から30km近く走ってきたことになる。

早速、オブジェが入るように自転車を止め、写真を撮る。…もうとにかくここでは写真を撮りまくった。

    
-(左)ko-1&まるの自転車とオブジェ            (右)最北端の碑-



ちょうどそこに居合わせたカップルに写真を撮ってもらった。今日はかなり風が強く、髪の毛が逆立ってしまった。気温はそれほどでもなく、半袖でも問題ない23℃程度。
ついにやってきた。最北端という夢を見てから、何年が経っただろうか。その時は、まさか本当にこの旅が実現するとは思ってもみなかった。1400kmを超える道のりを走ってきた11日間で、さまざまな出来事や出会いがあった。そんなことを思い返しながら、しばらくこの景色に思いを馳せた。


-日本最北端の地にて  まる&ko-1-



この後は、宗谷岬近辺でお土産屋を見たり、ぶらぶらしたりした。
宗谷岬の写真やぶらぶら具合については、こちらのページへ。



さて、宗谷岬近辺でぶらぶらした後は、最後の写真を撮ってから稚内市街へ向かう。宗谷岬を出たのが、15:45であった。

行きは向かい風に悩まされていたので、帰りは追い風となった。やはり一日の後半が追い風になるのは体力的にも楽でいい。

ここから稚内市街地までは、来た道を戻るだけなので、ko-1に先頭を走ってもらった。…というのも、私はところどころ勝手に写真を撮りに止まってしまうので、前を走るのも気が引けたからだ。
ということで、途中、風車を撮ったり、きれいな花を見つけたりしたら、その写真を撮っていた。


    
-(左)ということで、勝手に止まって撮った風車  (右)利尻富士と逆光-



そんなこんなで、マイペースで走っていたら、いつのまにか前を走っているko-1の姿がかなり小さくなってしまっていた。すかさず追いつくべく、ペースを上げる。恐らく、30km/hくらいは出ていただろうか。荷物を積んだ重い自転車で、まさかこのスピードで巡航するとは思ってもいなかった。でも、今日で最後なので体力を使い切っても問題ない。

さて、稚内市街地へ入り、まずは稚内駅を目指す。
日本最北端と言えども、街並みは普通の都会といった感じである。普通にある程度の施設は揃っていそうな感じだった。17:30に稚内駅へ到着。駅周辺で写真を撮ることにした。
天気予報では、明日から雨が降るということだったが、美しい夕焼けを見ることができた。


        
-(左)日本最北端 稚内駅      (右)美しい夕焼け-



明日は寝台列車で落ち着いて休めるので、今日はどこか適当なところで野宿…ということにしていたが、なかなか適当な場所が見つからない。カラオケで夜明かしという案もあって、付近のカラオケを探してみたが、どこも朝まで営業しているところはなかった。そして、近くの高台には公園があるのだが、そこまで行く気力もなかったので断念。

…かれこれ1時間近く経っただろうか、駅前でこの先を考えていると、ふと旅館の案内板に目が留まった。すると、駅の至近に天北旅館という格安の宿があるではないか。なんと素泊まり3680円で泊まることができる。他にも、宿がいくつか書いてあったが、この宿は格安を売りにしているようだった。ということで、ちょっと下調べのため、インターネットで検索してみることに。ざっと見たところによると、目立ったことといえば、客引きをしている面白い旅館の人がいるということくらいだったので、行ってみることにした。

駅からまさに徒歩0分というロケーションだった。自転車を入口の前に止めて、とりあえず中に入り、部屋が空いているか聞いてみた。すると、1階の少し大きい部屋だけ空いているとのこと。そのため、料金が少し高くなるのではないかという心配もあったが、料金は二人分だけでいいという。野宿の明けの日だったので疲れていたということもあり、今日はここでゆっくりすることにした。旅館の人には、翌日の出発が6時半頃になることを伝えた。また、自転車は裏の屋根つき駐車場に置かせてもらえたので、いたずらの心配もなく安心できた。ちなみにこの旅館、裏の駐車場に止まっていた一台の軽自動車を、宿泊客に無料でレンタルしているようだ。
さて、裏でゴソゴソと荷物を解体し、部屋に運ぶ。ここまでくると、お土産やゴミ袋など、荷物が増えているので自転車から下ろした後が大変だ。

正面を回って、部屋へ入る。その頃には、既に布団などのセッティングが完了していた。…ん〜さすがだ。


    
-(左)天北旅館    (右)広い和室を使わせていただきました-



この後は、先に宅配便で送る荷物の整理、夕食と翌日の朝食の買出し、風呂に入ってゆっくりとくつろぐ。
ここまでの長い旅の話もしながら、明日の帰宅に向けて体を休めた。


明日は、朝一番の特急で札幌へ向かう。そして、夕方の寝台特急「北斗星」に乗る。明後日の朝に上野に到着し、在来線で帰宅する予定となっている。
しかし、この旅行、まだまだハプニングが潜んでいたのだった…。



----------------------筆者より---------------------
11日にも及ぶ長い旅行記を最後まで読んでいただきありがとうございました。
無事に、神奈川〜稚内まで1400km以上の道のりを走破し、帰ってくることができました。

宗谷岬にたどり着いたときは、言葉では言い表せないくらいの感動でした。異国の地を間近に捉え、また最北端まで走ってきたという旅情もまたいい思い出です。
幸い、北海道にいる間は天候にも恵まれ、自転車には最高のコンディションでした。途中、雨やトラブルもありましたが、同行したko-1をはじめ、旅先で出会った人々の優しさや励まし、協力があってこそ、ここまでできたのだと思います。

今回の旅行のことを話すと、人によってはいろいろなリアクションが返ってきます。私自身、どんな反応が返ってくるのか半ば楽しみにしながら話をしています。
以前も書いたかもしれませんが、自転車は「自力で進む」というところに一つの醍醐味があると思います。今回はその最たるもので、神奈川から、遠く離れた北海道の宗谷岬まで自力で到達するというところに、その面白さが隠れているのでしょう。

今回は大きな休みが取れたので、このような大規模な企画ができましたが、さてさて次回はどのような旅行になるのか、今から楽しみでもあります。なかなか長期の休みはとりづらいので、車で輪行というプランを企画してみてもいいかなと思っています。

2006/05/07 まるえもん@管理人 旅行記原稿著
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