新潟自転車旅行 -3日目-
<2007.4.28-5.1 Sat-Tue>


2007/4/30(月)  新潟県南魚沼郡湯沢町〜新潟県小千谷市




広間はずっと明るいので、熟睡できぬまま、朝を迎えた。膝の具合は…残念ながらあまり良くない。昨日、寝る前ほどではないが、普通に階段を上り下りするだけでも痛みが走る。5:30に起床、早速準備を始める。

もう一度温泉に入って体を温めて、ロビーで昨日買った朝食を食べる。
新聞で情報収集。特に変わったことは起きていないようだ。

今日の道のりは果てしなく長いので、早めに出発する。目標は新潟を過ぎた新発田まで。計画では150km超えの旅程中最長距離となる。…この膝の状態で走りきれるかどうかはまったく疑問ではあったが。。。

7:10に出発。天気は快晴。抜けるような青空が広がっていた。風も気持ちいい。半袖で走るのに絶好のコンディションだ。


    
-(左)ゆざわ健康ランド          (右)いい天気です-



昨日に引き続き、国道を走っていく。
まだまだ山間部というだけあって、アップダウンがそれなりに続く。

膝は良くない。もう既に痛みが走ってきた。

何とか今日一日騙しながら走り続けることができれば、明日以降の日程は距離的にも楽な計画になっている。
石打、塩沢、六日町と、両側に山を見ながら、国道17号線をひたすら走っていく。

浦佐駅についたのは9:00、ここまでの走行は27.8kmであった。ペースとしてはほぼ完璧。膝の状態は最悪。
浦佐駅前には田中角栄の像があった。駅前には広いロータリーがあり、車もまばらであった。
今日はどこまで行けるか、そんな考えにいつの間にか変わってしまっていた。
とにかく前に進むことあるのみ。


    
-(左)浦佐駅前          (右)田中角栄の像-



魚野川を渡り、一旦川の東側を走る。前を見ると、山の間を川と道が走っている。目的地はその遥か先にある。
間もなく、小出駅付近を通過。
小出駅の東側で、単線の線路と国道の跨線橋が交差した。何の路線だろうと、特に気にも留めていなかったのだが、後に思わぬ再会を果たすことになるのである。


    
-単線の線路は、只見線  小出と会津若松を結ぶ-



魚野川に沿ってひたすら進む。越後堀之内を過ぎて、一旦上越線と新幹線と交差する。…上りだ。国道は地図上でも大きくカーブしており、それなりの坂であることを窺わせる。
その坂に入る前に公衆トイレがあったので、休憩を兼ねて立ち寄った。ちょっと休んだだけでは気休めにもならず、出発して2、3回こげばすぐに痛みが戻ってくる。


    
-(左)ちょっと小粋なローソン          (右)休憩中-



やっとの思いで坂を上がりきると、お約束のように下りが始まる。間もなくすると越後川口駅付近を通過。
越後川口を過ぎた辺りで、さすがに限界を感じた。時間は間もなく正午を迎えようとしていた。走行距離にしてまだ50kmにも達していない。残り100km以上。今までのペースで走っても深夜の到着になってしまう。しかも、同じペースで走り続けられたら…の仮定でだ。この時点でもう前に進むことすらままならなくなってしまっていた。

何とか長岡までと思って先を見ていたのだが、距離にして20km以上は残っている。
越後川口周辺には何もなかったので、次の駅である小千谷まで、とりあえず移動してみることにした。

何度も休憩を挟みながら、進んでいく。
地図で見たところ、おそらく最後の上り坂になるであろう、越後川口から先の坂では、さすがに漕ぎ続けることができなくなってしまい、押して上った。かなりゆっくりのペースであっても、自転車を漕いで上るのと、押して歩くのではものすごくかかる時間が違う。…当たり前だが、徒歩ってこんなにゆっくりの移動なんだなと改めて感じた。



-河岸では小型飛行機が飛び立とうとしている  坂を上がりきれば小千谷だ-



押して、ようやく坂の頂上までたどり着いた。ここからは、小千谷駅へ向けて下りが続く。とにかく、駅まではたどり着こう。ということで、小千谷駅に到着したのは、12:05であった。ここまで57.2km、激痛に襲われながら何とか走ってきた。ひとまず、駅前のそば屋和田で昼食にした。


    
-(左)小千谷に到着          (右)とろろ蕎麦を注文-



とろろ蕎麦を食べて、ゆっくり休む。この先どうしようか、地図とにらめっこしながら考えた。

…とりあえず、長岡まで行ってみよう。

少し休憩をしたので、また走れるだろうと思い、新幹線の駅がある長岡を目指す。
13:10に小千谷を出発。

すぐに、錦鯉の養殖場を見つけた。そういえば、小千谷といえば、錦鯉で有名なところだった。新潟県中越地震で被害を受けたのも、ニュースで報道されていたのを思い出す。



-北越観魚園 いけすの損傷が痛々しい-



500mくらい走ったところだろうか、グローブをしていないことに気づいた。昼食に入るときに外して、荷台のゴム紐に挟んでおいたのだった。ところが、荷台を確認してみると、片方しかない。もしかして、落としたか。。。
このままグローブを諦めて先を急ぐという手もあったが、なくした場所がほぼわかっていたし、すぐ近くだろうと思ったので、引き返すことにした。
さっきまで走ってきた小千谷駅までの短い距離を走るのもつらかった。相当の痛みが走り、まともに乗れる状態ではなかった。グローブは駅のロータリーで発見された。段差を下りたときの振動で落ちてしまったらしい。ここまで帰ってくるのにかなりの苦痛を味わったので、この先20kmも離れた長岡まで行けるのだろうか…。

駅前のロータリーで、今後の計画についてもう一度考え直す。

…これはきっと、グローブからのメッセージだろうと思い、今日の走行は小千谷で一旦終わりにすることにした。
もう先に進むなという警告なのかもしれないと。

ひとまず、この先の計画を全て白紙に戻す。
選択肢としては、駅がすぐそこにあるので、輪行してとりあえず今日中に予定の新発田まで行くか、小千谷で旅程を終了にするか。
新発田まで移動しても、明日走れるかどうかの保証はない。自宅から自力でたどり着く…をコンセプトにやってきたので、ルートが途切れてしまうのだけは避けたかった。

結局、小千谷で今日は宿泊し、明日の様子を見て考えることにした。
とりあえず、宿泊予定の宿をキャンセルし、今夜の宿を携帯で探す。

西側の川を渡った先にホテルニュープラザという安く泊まれるホテルを発見した。早速予約を入れて、向かう。



-ホテルニュープラザ 運よくリーズナブルなホテルを確保-


チェックイン時刻前だったので、ロビーで新聞を読みながら待っていると、フロントの人が声をかけてくれた。
部屋の準備はできているようだったので、すぐに部屋に案内してくれた。…ちょっと早めのチェックインだけど、助かった。

荷物等を全て下ろし、ベッドでゆっくりした。と、今まで気づかないようにしていただけなのか、急に全身にだるさが襲ってきた。
そのまま布団にもぐりこみ、夜までゆっくりする。

膝の痛みに加えて、風邪か…??
明日には良くなっているだろうと楽観的に思いながら残りの時間を過ごす。
そして、明日以降の計画を立てるため、近くの本屋で時刻表を調達。もう時刻表を買った時点で帰る気満々…というわけではなく、あくまで回復しなかったときのために帰路を確保しておくためのものである。

とりあえず、回復したら先へ進むことにして、宿泊場所はその時の状態で考えることにする。
もし、回復しなかったら、小千谷を観光して、その日のうちに自宅まで帰ることにした。せっかくここまできたので、どこかに寄り道して、自転車抜きの純粋な旅行をしてみても良かったのだが、今回は膝のこともあり、帰ることにした。ルートは…上越新幹線でさっさと帰ってしまっては全く旅情がないので、レア路線である只見線を経由して帰ることにする。

いつかは乗ってみたかった只見線。小出〜会津若松の全線直通は1日3往復という極めて本数の少ない路線である。
また、沿線の景色も素晴らしいと聞いたので、車窓からの風景も楽しみだ。時刻表から、小千谷出発時刻を調べておく。
…あれ、なんだかもう帰る気になっているようだが(笑)
もちろん、自転車の旅は明日以降も続けたかったので、膝が快方に向かっていることを祈っているのは言うまでもない。

ホテルでゆっくりし、3日間溜まった疲れを癒す。

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