北海道自転車旅行 -7日目-
<2005.8.27-9.7 Sat-Wed>


2005/9/2(金) 7日目 北海道苫小牧市〜札幌市〜小樽市




…朝目覚めたのは、6時過ぎだっただろうか。到着まであと30分程度だった。辺りは薄明るくなっていて、周りの乗客はそろそろ下船の準備をしていた。私も荷物を整理して、ちょっと甲板へ出てみることにした。

通路に出て、少しフロントの方へ向かったところに外への扉があった。非常用のゴツイ扉が展望室の近くにあったので、基本的に甲板に出られないものかと思っていたが、そういうわけでもなかったようだ。
外に出ると、涼しげな風が吹いている。船はまだ高速で走っていたので、その風が吹きつけてくる。朝日も昇っていて、海面に反射した日差しが美しく輝いていた。
船の後方には、船の通った跡―車で言う轍であるが、船の場合はどういう表現をするのだろうか―が美しい模様を描いていた。


    
-(左)苫小牧港を見る        (右)朝日が眩しい-


甲板では、数人の乗客が外を眺めている。私と同じように、その景色を写真に収めている人もいる。

朝風にあたった後は、船室に戻り、荷物の整理をして下船に備える。いつのもような野宿場所と違って船内は絨毯敷きであるので、作業は快適そのものだった。

寝袋をたたみ、昨日のゴミやプラムなどその他諸々を片付ける。ゴミ箱も小さいながら至る所に設置されていたので、近くのゴミ箱に捨てる。到着予定時刻は6:30であったが、その数分前にはライダーと共に駐車場へ行くように放送があった。まず先に、ドライバーから放送がかかった。下船の時は、どうやら乗船の時の順番と逆になるらしい。さて、船内の案内に従って、車庫へ向かう。車庫は2層構造になっているらしく、私たちは下の方に止めてある。急な階段を下りて、駐車場へ向かう。

駐車場はすでにエンジンのかかっている車の排気ガスでかなり空気が悪かった。しかも、大型のバスやトラックが多く、より一層拍車をかけていたように感じる。作業員が車の固定をはずしている。車の隙間を縫って、反対側の自転車を置いた場所へ向かう。他のライダーたちも次第に集まってくる。固定がはずされるまでは少し時間があった。というのも、まず車を全部出庫した後に、2輪の出庫となるからだ。

その間に、2輪のライダーとも少し話をする。ライダーは全国さまざまなところから来ていた。

しばらくすると、バイクの固定紐が外され、ライダーは係員の合図と共に走り去って行った。私たちはその次―つまり、最後の最後だった。後ろでは、車が出て行った後の片づけをしている係員の姿が見えた。
固定が解かれると、乗船したときのように、荷台に寝袋を乗せてそれを押さえながら押していく。


     
-(左)こんな感じで壁に沿ってくくりつけられている   (右)北海道に降り立った-


北海道の地に初めて降り立った!!…という瞬間を堪能する余裕もなく、自転車を押して船外へ。近くの開いたスペースに自転車を止めて、荷物の整理をする。この時だったか、もしくはフェリーに乗る前だったか定かではないが、グローブがなくなってしまっていた。この先、しばらくしてから気付いたのだが、いつの間にかなくなってしまっていたのだ。


荷物の整理が終わったら、北海道の地での初めての記念撮影をして、いざ出発。


さて、大通りに出て、支笏湖方面へ向かう。途中にセブンを発見したので、そこで朝食にすることにした。
セブンの前の段差に腰掛けて食べる。目の前の路地からは車がひっきりなしに通り過ぎていく。ちょうど通勤時間帯ということもあるが、やはり北海道は車社会だなと実感する瞬間でもあった。
なかなか車も東京の方と違って大胆な運転である。さらに、マフラーを変えている車の率が高いような気がしたのは気のせいだろうか。


出発は7:50。国道36号線と一時的に合流し、途中で276号線へ右折し、支笏湖へ向かう。
ここから、高岡霊園の横を通り、森林の隙間を走っているような感じの道をひた走っていく。
今日の天気は曇り。予報によれば、一時雨が降るようなことを言っていたが、やはり途中、何度か小雨に降られた。


北海道へ来てみて、植生の違いがよくわかった。道路脇の森林からもそれを感じられる。
支笏湖までは、およそ25km。非常にゆるやかではあるが、上り道であった。

道路の上には、必ずと言っていいほど、赤と白の縞模様の入った矢印が下向きに表示されている。初め見たときは何かと思ったが、恐らく冬の間に雪が積もったとき、道路の端がわかるように設置されたものだろう。

車通りはまばらで、時折まとまって車が走っていく。道は見通しが良く、車も猛スピードで駆け抜けていく。
直線ではかなり遠くまで見通すことができ、なかなか変わらない景色に少し飽きがきてしまう場面もあった。


    
-支笏湖への緩やかな上り坂 遠くまで見通せる-



道沿いには支笏湖〜苫小牧のサイクリングロードが整備されていた。これに気付いたのは半分近く走ったころであろうか。このサイクリングロード、実は車道よりも路面状況が良く、最も走りやすかった。
道路の両側を森林が囲んでいる形になっているのだが、いたるところで切り開かれたところや、風雨でやられているところがみられた。


ひたすら走ってきた直線道路が終わり、間もなく支笏湖かと思ってもまだまだ先は長かった。千歳市に入っても、まだ少し走った。千歳方面への分岐になっているT字路を左折し、支笏湖方面へ。

ここで、向かいから中年のチャリダー2人組とすれ違った。向こうはゆったりと手を振ってきた。こちらも手を振る。
「この先はまだまだ大変だぞ〜」と声を掛けてくれた。
ありがとう!と返す。…まだまだということは、支笏湖までもまだまだあるということなのだろうか。それとも、支笏湖から先の札幌に出るまでの道のりを言っていたのかはこの一瞬のやり取りの中では知る術もないが、いずれにせよ、大変だということには変わりはない。
久しぶりにチャリダーに会って、なんだかホッとした。

小さな川を渡るのに一度アップダウンを越えた後、右手に小学校が見えてきた。支笏湖畔の小学校だった。ということは…と考えているうちに、目の前に支笏湖温泉街らしき街並みが見えてきた。急に目の前に姿を現したので、ビックリしたと同時に、やっと着いたという安堵感が漂った。

早速、支笏湖の湖畔の方へ下りていく。この時点で、時刻は10:00、走行は27.8kmであった。
支笏湖ビジターセンターの付近には、売店が何軒か並んでいた。おいしそうなにおいがあたりにたちこめていた。

自転車を押して、湖が見渡せる場所へ移動する。そこには、支笏湖の案内板があった。支笏湖、看板、自転車を入れて写真を撮った。
評判どおり、支笏湖は青く輝いていた。深さでは日本2位、そして抜群の透明度を誇るのもうなずける。


    
-(左)支笏湖に到着    (右)まるえもん@通信中-



しばらく湖を眺めた後、近くの支笏湖ビジターセンターへ向かう。ビジターセンターでは、支笏湖に関する様々な資料が展示してあった。また、北海道ということもあって、野性動物に関してのパンフレットもたくさん置いてあった。

ヒグマとの遭遇も把握しているらしく、センター内のマップに出現場所と時間が記されていた。
そこで、支笏湖から札幌方面へ抜ける途中、少し東側にオコタンペ湖というエメラルドグリーンに輝く湖があることを知る。付近は保護地区になっているようだ。湖畔へは下りることはできないが、展望箇所から湖を眺めることはできるようなので、そちらに行ってみることにした。が、ちょっと寄り道になってしまうということと、分岐点からさらにひとつアップダウンがあるということなので、時間的にもちょっと厳しくなるかもしれない…。


とりあえず、支笏湖温泉街と言われているくらいなので、とりあえず温泉に入ることにした。まだ時間は10時を回ったくらいで早かったため、営業している温泉がなかなか少なかった。やはり、11時以降というのが多いようだ。

ビジターセンターの案内の方に聞いてみたが、支笏湖温泉街でいくつか、それと、少し進んだ先に、いとう温泉と丸駒温泉があるようだ。時間的にも、また場所的にも、いとう温泉が妥当なのではないかということで、もう少し進んだところで温泉ということになった。このいとう温泉は支笏湖湖畔、というか、もうまさに目の前が支笏湖というところに露天風呂があるようなので、そんなロケーションも魅力的だということも一つあった。

ビジターセンターを出て、目の前の店でソフトクリームを食べる。北海道っぽいラベンダーソフトというのがあり、それを食べようと思ったのだが、あいにく機械のメンテナンスが入ってしまっていたので、残念ながら普通の牛乳ソフトということになってしまったが、さすが北海道のそれは違う。コクがあるというか、濃厚な味がした。


    
-(左)支笏湖ビジターセンター内   (右)ソフトクリームをいただく-



ソフトクリームで軽く腹ごしらえした後は、いとう温泉へ向けて出発。このまま支笏湖の周りを反時計周りに進んでいく。出発は10:50だった。

ビジターセンターのあるあたりは少し高台になっていたので、湖畔の道路に出るまでは一旦下る。それからは湖畔を走っていく。
ちょうど通り雨があったのか、路面はかなり濡れていて、いたるところに水溜りができていた。泥を跳ね上げないように走っていたら、いつのまにか先を走っていたko-1の姿が小さくなっていたりもした。幸いにも、私たちが走っている時には雨に降られることもなかったので、運が良かったとしか言いようがない。
支笏湖の周りの道路は、所々シェルターのような場所があった。恐らく、落石の被害防止のための設備だったのだろう。


支笏湖畔の道路は、まるで海岸線を走っているような感じもする。テトラポットが波を打ち砕き、無数のしぶきをあげていた。湖はすぐ目の前に見えるのだが、かなりの透明度だということが道路からでも感じられる。

目標はどこだろうか。おおまかな位置はわかっていたのだが、いまいち定まらない。なかなか動かない景色にもどかしさを感じながらも、ひたすら走っていった。
と、札幌方面への上り坂が姿を現した。ビジターセンターでもらった地図によると、ここを上がらずに湖畔を走っていけるようなので、一旦道を外れてみるが、その先はキャンプ場になっており、通り抜け不可という看板が。また地図にだまされてしまった。このあたりは砂利になっていて、まさに波打ち際まで行くことができる。せっかくなので、そこまで行ってみることにした。そこで、自転車と共に写真を撮ってみた。
周りには、合宿中であろうか、キャッチボールをしている若者がたくさんいた。


    
-(左)まるで海岸線 上にはシェルターが    (右)湖畔に出てみる-



さて、湖畔の道はなかったので、さきの札幌へ向かう道に戻る。相当な勾配を上った途中、T字路があった。そこが分岐点になっているようだった。左はいとう温泉、右は札幌方面だった。ということで、左へ向かう。


すぐに到着するかと思っていたが、そうでもなく、何回ものアップダウンを抜けた後にいとう温泉入口の看板を発見した。しかし、その看板の示す先は、恐ろしいほどの下り。もう、自転車がひっくり返ってしまうのではないかと思うくらいの急な坂であった。あまりスピードを出してしまうと本当に止まれなくなってしまうので、上りと同じくらいゆっくりとした速度で下っていった。

ヘアピンカーブを抜けて、支笏湖の湖面と共に、いとう温泉が姿を現した。ここまで来るのに相当上ってきたのだが、また湖面までの高さに戻ってしまった。温泉が湖に面しているということから、そんなことは容易に想像できたのだが、こうしてあらためて下りてみると、切なくなる(笑)

さて、入口付近に自転車を止める。
宿泊もできるらしい。入口から入ってすぐのところにロビーがあり、フロントの目の前には食事のスペースになっていた。
早速、フロントで入浴料を払って、案内を聞く。中の大浴場にロッカーがあり、そこに貴重品を入れてから、外の露天風呂に行くという形になっている。
ロッカーに貴重品を入れてから、露天風呂に移動する。すでに先客が何人かいた。
露天風呂に入ってすぐの場所が脱衣所になっているのだが、そこからはすでに支笏湖が一望できる場所であった。隣が、女風呂なのだが、そちらの方は幾分景色がよくなさそうな配置だった(覗いたわけじゃないので…念のため(笑))。


    
-(左)いとう温泉    (右)天然岩風呂 景色のいい露天風呂だった-



さて、時間もそんなにないので、さっさと風呂に浸かる。

湯温はちょうど良く、40℃といったところだろうか。ほどよい温度で、長い時間入っていられそうな風呂だった。ちょうど支笏湖の方を眺めると、まさに支笏湖と一体化しているような感じすらする。

体が温まったところで、何度か湖の方へ行き、風で涼みながら景色を眺めた。

私たちのほかに、2人組と、年配の男性が来ていた。2人組の方は30代くらいの社会人だろうか。ビール片手に、温泉の脇で涼みながらずっと話していた。
金曜ということもあるのだろうか、人はまばらである。時間もそれほどないので、適当なところで上がる。

ちょっと汗をかいてしまっていたのだが、同じTシャツを着ていくことにした。…というよりも、もう着る物がなくなってしまっていたというのもある。

温泉を出た後は、食堂で昼食にすることにした。支笏湖といえばヒメマスということを、支笏湖ビジターセンターに行ってみて初めて知った。ヒメマスと聞いて、真っ先に鱒を思い浮かべたのだが、どうやら鮭に近い種類らしい。鮭が海へ出なくなったのがヒメマスと言われている。
ヒメマス定食なるものがあったので、1800円というかなり高値ながら、せっかくの機会なので食べてみることにした。注文から少し時間がかかるらしく、先に山菜うどんが出てきた。それが食べ終わる頃にヒメマス定食が出される。…まぁこれは仕方がないか。

定食は、一般的な定食のメニューである。ご飯に味噌汁、漬物におひたしと、メインのヒメマスである。ヒメマスは塩焼きになっていて、程よく塩味がきいておいしかった。味としては、鮭から分かれたということもあり、まさに鮭のような味だった。むしろ、ヒメマスのほうが淡白な印象。鮭ほど味はきつくない。


    
-(左) ヒメマス定食             (右)いとう温泉-



昼食を堪能したところで、札幌へ向けて出発する。昨日は風呂に入ってなかったので、さっぱりとした気分で出発することができた。

車道に出ると、例の分岐点まで走る。来たときに比べて路面は乾いていた。太陽が時折顔をのぞかせていたので、そのせいもあったのだろう。水溜りも小さくなり、跳ね上げの心配もほとんどなくなったので、下り坂のときはスピードに乗って走る。

分岐点から先は、ひたすら上りとなる。支笏湖が展望できる場所で一旦自転車を止めて、写真撮影。近くには、観光に来た人たちが足を休めていた。


この辺はさすがに山沿いということもあって、道は北海道らしからぬ幅となっている。しかし、路肩の状況はそれほど悪いということはなく、普通に走るには十分な路面状況である。

さて、恵庭市に入り、坂を上がりきったところで、オコタンペ湖への分岐点にさしかかった。ko-1はあまり乗り気ではなさそうだったが、なんとか一緒に行ってくれることになった。…しかし、ここからオコタンペ湖までは100m近く上がらなければならず、行程に上りが追加になってしまうので精神的に参るかもしれない。
オコタンペ湖の先の道道は通行止めになっているらしく、そのために行き交う車もまばらであった。オコタンペ湖へ行くらしい車に数台出会ったくらいである。


分岐点からオコタンペ湖までの道はさらに勾配がきつくなっているようだ。さらにゆっくりと確実に進んでいく。
坂を上がりきったところで、再び千歳市の看板が。オコタンペ湖は千歳市の所属なのだろうか。

千歳市の看板の辺りからは下りに転じる。すると間もなく、「オコタンペ湖」という標識が。どうやら、展望台のようだ。ここが目標地点だったので、自転車を止めて、柵の近くまで行ってみる。眼下にはエメラルドグリーンに光るオコタンペ湖が見えた。

周りは森に囲まれていて、まさに秘境といった感じがする。この展望台からは見下ろすことができるのだが、湖畔までおりることはできるのだろうか。オコタンペ湖周辺は保護地区になっているため、その辺りはどうなっているか詳しい事はわからない。遠くからその佇まいを眺めながら、しばし休息の一時を過ごす。…もちろん、写真もしっかり撮りましたよ。
オコタンペ湖到着は14:45、ここまでの走行は49.7kmであった。苫小牧からの相対高度は、手元の時計で745mである。かなり上ってきたことがわかる。


    
-(左)エメラルドグリーンの湖面が美しいオコタンペ湖     (右)展望ポイントから-




10分ほど自然を堪能した後、札幌へ向けて出発する。今来た道を戻り、先の分岐点で札幌方面へ向かう。
その分岐点まではかなりの坂だったらしく、最大60km/h近くまでスピードが出て、久しぶりの高速走行を味わえた。富士山の時と違って細かいカーブが多く、下手すると崖の下に転落してしまいそうなので、ノーブレーキで颯爽と走る――というわけにはいかなかった。
分岐点にはあっという間についてしまった。上りの努力が儚く一瞬で終わるという喪失感と、逆に一瞬で駆け抜ける贅沢と両方の気分が味わえるということが、自転車の醍醐味の一つでもあるだろう。


札幌まで下りだったらよかったのだが、そうもいかないらしい。事前に地図でも見てみたのだが、少しアップダウンがあるようだ。

…そういう嫌な予想は的中するらしく、何度かアップダウンがあった。下りの後に一度上りがあり、さらに勾配7%の大きな下りがある。ここでは、かなりの長い距離が下りになっており、高度もかなり落ちてくる。見通しもそれなりにいいので、車を追いかけるような形で走っていく。…が、やはり車は相当速いので、50km/h出したところでついていけるものではない。

その長い下りの後、再び7%の上りがあった。お返しと言わんばかりの勾配である。ここを上りきると、札幌市の案内板を発見。ついに札幌市へ入った。ここで15:50、走行は65kmであった。


北海道の中心地、札幌までもう少しである。
案内板の位置からは下りで、途中、真駒内カントリークラブを左手に見つつ、進んでいく。
再び一山越えた後、辺りは一気に市街地らしくなってきた。

基本的に下りベースなので、速度も必然的に高くなる。また、こぐ力もあまり必要無いので、体力的にも非常に楽だった。

芸術の森を16:15に通過、走行距離は79.3kmであった。下りということもあり、札幌市の案内板からの区間速度は34km/hをマークした。いかに速いペースで走っていたかがわかる。

ここからはもう緩やかな下り〜平坦な道になっていく。さらに、途中で雨が降り出した。芸術の森付近から、前方に黒い雲が居座っているのが見え、嫌な予感がしていたのだが、ここへきて降り出してしまった。
街路樹の下に自転車を止めて、カッパを着る。今日はまだまだ長いので、雨で体を冷やしてしまってはまずい。


札幌の中心部に向かうにつれて、街並みは碁盤目状になっているのがわかった。信号の標識も、「西○条 南○条」という表示になっていた。ある意味、こういう表示の方が直感的にわかりやすくていいかもしれない。

都心部に近づいてくると、ここからは信号によくひっかかるようになってきた。距離も思ったように稼げない。
道を確実に把握しつつ、目標である札幌駅を目指す。

とりあえず大通公園に到着。ここで少し寒くなってきたので、上着を着ることに。
札幌で夕食にして、そのまま小樽に行くプランとし、とりあえず食事の場所を探すことにした。

大通公園から少し南の通りに移動し、交番の前で北海道のガイドブックを開き、目的の場所を探した。
10分くらい検討し、結局定番の札幌ラーメンを食べる事にした。
…何を基準に選んだかと言えば、とにかくすごそうなもの…ということで、すすきのラーメン横丁にある「味の華龍」へ。

札幌テレビ塔を目の前に見ながら、すすきのへ向かう。
ko-1は以前、行ったことがあるということだったので、概要を聞いてみたが、…ん〜特にここであえて行く必要はないかなと思ったので、遠くから眺めるにとどまった。


さて、17:45にラーメン店の目の前に到着ここまでの走行は90km近くになっていた。ラーメン横丁の中でも通りに一番近いところにあったので、自転車も目に付くところに置く事ができた。…というよりも、カウンターの真後ろが通路になっていたので、そこのわずかなスペースに置かせてもらった。

ラーメン横丁も客取りが激しいのか、入ろうとした瞬間に声をかけられた。幸いにして、声を掛けられた店は行こうと思っていた店だったので、そのまま素直に店に入る。…入るというよりも、もうただカウンターに座るという状態だが。
この繁華街のど真ん中で、目のつくところに自転車が置けたのでかなり安心して食事ができた。
で、何を食べたかというと、ホタテとカニが入ったラーメン。1800円というかなりの値段だが、せっかくなので…ということで、惜しみなく食べる。


    
-(左)大通り公園 テレビ塔を見る    (右)ラーメン 今日は食事が贅沢だ-



店にはマスターと、お手伝いか奥さんかわからなかったが、女性が一人。さらに、若い男性の3人がいた。ラーメンが出来上がるまでは、ここまでの旅の話をした。マスターもなかなか陽気な人で、いろいろと気さくに話してくれる人だった。
本州の旅の経過や出来事、これからの進路と予定についてを話した。やはり、先の情報に関しては、旅先で情報収集するのが一番で、今日の目標地点である小樽までの道や距離についても、参考になる情報が得られた。


ここまで高級な具が乗っかっているラーメンは食べたことがなかったということもあるかもしれないが、何ともいえない美味だった。ラーメンにホタテやカニという普段ありえない組み合わせだったので、新鮮味を感じるとともに、ラーメン自身のおいしさも手伝って、格別の一杯をいただいた気分だ。

18:50にラーメン横丁を出発。コンビニによって少し手持ちを整えてから小樽へ向けて出発することにした。すすきののコンビニで自転車を置いておくのはちょっと物騒だったので、繁華街を抜けたところのコンビニを探す。

とりあえず、ラーメン横丁を出て、西方向に向かう。突き当たりを右折してすぐ、南五条西にセブンが見えたので、そこで飲み物などを軽く調達。
ラーメン横丁でトイレに行けるかと思っていたが、なんと有料だったのでずっと耐えていた(笑)ここへきてようやくトイレに行けたので、精神的にも楽になった。

さて、ここからは小樽へ向けて再び走り出す。予想としては、30〜40kmくらいと踏んでいたので、早くて2時間半、遅くとも3時間半、22:30には着くだろうとおおまかに予定を立てる。


道には迷うことなく、小樽方面へ向けて順調に距離を稼ぐ。
札幌の市街地では、お決まりの信号ストップが多い。次第になくなってはいくが、札幌〜小樽をつなぐ幹線道路ということもあり、車通りも夜ではあったが多く、あたりも住宅がたくさん見えていた。


今まで、風に恵まれていたということもあるかもしれないが、今日のこの時間帯の風は最悪だった。…最悪といえばそう、強い向かい風が吹いていたのである。市街地ではあまり気付かなかったが、少し開けてきたころにその風を感じるようになった。
思えば、6:30に苫小牧に着き、支笏湖を回って峠を越えて90km以上の走行をしてきたので、体力的にも余裕のある状態ではない。そんな状態で、この向かい風である。…悲慘。まるで常に上り坂を走っているような感じだ。このペースなら、通常の行程計算があてはまらなくなってくるので、ちょっと到着が遅く見込まれる。


札樽自動車道と交差したのは19:35、ここまで99.4kmだった。ここから、国道5号線を走り、まっすぐ小樽へ向かう。まだまだ先は長い。日が暮れてしまうと、周りの景色も街灯や車のヘッドランプなどに限られてしまうので、あまり面白くない。そんなこともあり、夜間はひたすら距離を求めるような走り方をしてしまう。…といっても、昼間よりペースが上がるかというとそうでもない。疲れているということもあるし、周りが暗いということもある。

休憩を少し挟みながら進んでいく。20:25には銭函インター付近を通過。この辺りまでは平坦だったのだが、この先、恐ろしいことになるのである。

少し、前方の右寄りがアヤシイ。というのも、街灯らしきものが高いところに見える。何を意味しているのか考えたくもなかったが、そういうことらしい。
北海道薬科大を過ぎて間もなく、ゆるやかな上り勾配が始まる。風は相変わらず向かい風が吹いている。たとえ上り坂を低速で走る状況であっても、風の影響は大きい。風が追っていればかなりスムーズに走れるのだが、今日は運が悪く向かい風。本当に、8km/h程度のゆっくりとした速度で走りながら、確実に走っていく。札樽自動車道と二回交差し、上り坂を走っていく。

上り坂を上りきったところで、左手に札樽自動車道を見ながら、道は下りへ切り替わる。
ここから一気に駆け下り…というか、風で押し戻されているのでそれほどスピードは出なかった。あれだけ苦労して上ったのに残念。まぁそれは仕方ない、希望は明日に託そう。

小樽が近づくにつれて、街並みもより都会の様相を呈してきた。
手元のメーターには着々と距離が刻まれているのだが、一向に小樽は見えてこない。…ん〜もどかしい。
ようやく、南小樽の駅が見えてきた。駅ビルの近くには、観覧車も見えた。何か娯楽施設でもあるのだろうか。

今日一日の走行はかなり体の負担になったようで、ここまで来ると、電車の跨線橋を渡ることすらきつくなってくる。
もう、上り坂になったら即、軽いギアに変えて、ゆっくりと走っていく感じだ。

さて、最後の直線に入り、小樽は目の前だ。
駅に向かって、国道から左折する。駅前はそれほど広くなかったが、タクシーがたくさんいた。邪魔にならないように、隙間を縫って自転車を止め、写真を撮った。…あとで見てみると、急いで撮ったというのがわかる写真だったのだが(笑)

小樽駅前に着いたのは22:05、走行距離は128.5kmだった。距離としてはそれほどのものではなかったが、いろいろと立ち寄ったということと、700m近くの高低差を走ってきたということもあり、距離だけではない疲れが溜まっていた。
そんなこともあり、小樽の夜景を見に行くまでもなく、私たちの足はホテルへ向かっていた。



-小樽駅に到着-



今日の宿泊は小樽グリーンホテル。ちょっと施設としては古いが、宿泊料金は4000円を切る設定で、かなりリーズナブル。
ちょっと遅くのチェックインになってしまったが、やることはまだまだある。


まず、例によって荷物を部屋に置いて、いろいろと整理をする。また、ホテルに宿泊した日は洗濯をしないと着る服がなくなってしまうので、選択は必須だ。…と、コインランドリーを探したのだが、道路一つ挟んだ隣の同じ系列のホテル、ニューグリーンホテルにあるようなので、ちょっと面倒だ。洗濯へ行くのに、いちいち鍵を預けて外へ出るので手間がかかる。こういう時って預けなくてもいいのかなぁ。でも何かあったら面倒だし…というのもあって、何度もフロントの人と鍵を交わしていた。


コインランドリーは無事に使えたが、乾燥機があいにくふさがっていたので、翌朝早めに起きて乾燥機にかけることにした。ホテルに戻る前に、近くのコンビニで朝食を調達する。そのコンビニとは、北海道へ来て初めて見たセイコーマートだった。

見たところ普通のコンビニのようだったが、値札を見てみると驚き。意外にも安く売っているのである。そもそもセイコーマートがコンビニというカテゴリーに入るのかどうかという点が微妙なところでもあるが、定価販売が通例となっているコンビニにおいて安く売っているという事実は衝撃的だった。


ホテルに戻って、順に風呂に入る。洗濯は無事に終了していたが、今度は乾燥機がふさがっていたので、乾かすことができず、明日にすることに。…運転は終わっていたのだが、持ち主が取りに来なかったのだ。勝手に外に出すとトラブルになりかねないので、ここは一旦撤収。
ひとまず作業を終えて部屋に戻り、吸い込まれるように眠る


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