京都自転車旅行 -1日目-
<2002.8.24〜27>
事の発端は今年の4月29日に行った静岡日帰り輪行だっただろうか。いや、その前から京都に行く気になっていて、その事前走行ということで静岡に行ったのかもしれない。それは本人にもわからないが、ヤフーオークションで輪行袋を安く手に入れたので遠くへ行きたくはなっていた。
さてさて、今年は誰と行くかというと、去年から自転車にのめりこみ始めたko-1を誘うことにした。
8月17日
ko-1と京都旅行の打ち合わせ。荷物、装備、宿泊場所、宿泊施設、ツーリング予定、ルート検討などなど。旅の窓口で宿泊施設を予約。準備は万全。あとは当日の装備のみ。なお、出発は24日に決定。3泊して京都到着の予定。
8月23日
前日は何かと忙しくなるものである。荷物のパッキングは慣れたもので、問題なく出来た。去年の装備がカテゴリーごとに袋にまとまっていたので、不足分を補うだけだった。近所のスーパーに薬品類を買いに行き、とりあえずは万全。偶然見つけた白色LEDライトも意外と重宝した。さて、学校に学割を取りに行かなければいけない。申請のチャンスを逃し、ギリギリになってしまった。学校からの帰りに相模大野に寄り、長時間の乗車による手の疲れを軽減しようとエアロバーを買った。早速家に戻りパーツの取り付け&最終整備。タイヤもチューブも全部取り替え、途中でトラブルにならないようにしておいた。今日は余裕の準備でぐっすり眠れる…と思ったらエアロバーがなんと取り付けできない。東急ハンズに行ったり対策をあれこれ考えたが、結局安定してバーをとりつけることができなかった。エアロバーは諦めて出かけることにした。メーター類もすべてチェックし、工具、PHSすべてOK。準備が深夜に及ぶこともなく、日付が変わる前に床に就くことができた。
2002年8月24日(土) 1日目 自宅〜静岡県焼津市
当日、5時起床。朝ご飯を軽く食べて、いよいよ出発。天気はあいにくの曇り空。予報によると午後から雨で今日中にはやむらしい。一応雨を心配して、寝袋にはゴミ袋をかぶせ、雨から守ることにした。
6:25に自宅を出発。ko-1との待ち合わせは用田の交差点。ちょっと遅れ気味に家を出てしまった。長距離ツーリングの初日の出発直後からいきなりフルパワーで走るのはリスクが大きいので、特に急がなかった。3分ほど遅れて待ち合わせ場所に到着。いきなり申し訳ない…。
待ち合わせの用田交差点にはローソンがあったが、特に買うものもなかったので出発することにした。今日の走行距離は予想150km。去年はアップダウンがあったが、今年はほとんど平坦な道。これくらいはいけると思った。
県道を走って246号線へ。雨はほぼ大丈夫なようだ。
今年はko-1も初日から自宅出発なので、長後、用田方面で246を通って沼津へまわるルートで行く。箱根を越えると猛烈な坂道で体力を消耗するので、こちらのルートで体力を温存する。
途中秦野あたりのコンビニで腹ごしらえ。
ko-1は不思議そうに言っていたが、ツーリング中は何かと腹が減るものなのだ。段差に座り込んでko-1の登山の話や、目の前の車庫入れをしているドライバーの運転技術、スカイラインの話などをしていた。これくらいゆっくりのんびりと旅行が出来るっていいことだ。
さて、246をひた走り、大きなアップダウンを3つほど超えたところで、松田町に入る。松田駅を9:13に通過、走行距離42kmであった。
ここから御殿場までは緩やかな上りが続く。小山町の吉久保までは富士山旅行のときと同じルートなので見慣れた景色だ。しかし、初めての道よりも見慣れた道はどういう道路かわかっているためか、精神的に疲れるような気がする。
静岡県に入り、246号線は軽車両通行禁止になるため、我々自転車はわき道にそれなければならない。246号線に限ったことではないが、バイパス化していたり、軽車両禁止道路になっていたりで、自転車はいつも不便を強いられる。
わき道にそれて数分走ると、富士山旅行のときにいつも立ち寄るセブンイレブン駿東小山店が見えてきた。ここで休憩をとった。トイレを貸してもらい、そして軽く腹ごしらえを、ここに立ち寄ったときにいつもしている。私は、小さな弁当を買って食べる。
いつの間にか雲間から真夏の強烈な日差しが照らしていた。あいにく周囲に日陰はなく、とりあえず川に面した段差に腰を下ろして休んだ。
今日は曇りだろうと思って日焼け止めを塗っていなかったので、ここで初めて日焼け止めを取り出した。
使うのは去年の富士山以来だったが、特に変質していなかったので心配は無用だった。
さて、さらに上りが続く。菅沼郵便局手前までは急な坂があり、最も軽いギアでも疲れが蓄積していくほどの急な坂であった。246号線はおとなしい坂ばかりだったが、こういったローカルな道路は容赦ない勾配になっていることがよくある。とにかく御殿場に着くまでは辛抱だ。
空を見上げると、出発したときからは想像できない青空だった。強烈な日差しが照りつけ、体温をどんどん上昇させる。上りはスピードが出ないため風が弱く、余計に暑く感じられた。それに伴い気温も上がっていった。田んぼの匂いがなんだか懐かしさを感じさせてくれる。
富士山ルートとの分岐点、吉久保で直進したあとは緩やかな上りになり、御殿場まで続く。静岡へ行ったときはそんなに長く感じなかったが、意外と距離があったらしく、御殿場駅到着は12:05であった。ここまでおよそ70kmである。御殿場まで来てしまえば今日の大きなヤマを越えたと言っていいだろう(…あとでヤマはもう一つあったことを知るのだが)。
沼津までおよそ25km、ほとんど下りである。今日はあいにく向かい風気味だったのであまり軽快とはいかなかったが、まぁよしとしよう。
国道1号線と交叉するあたりで少し複雑になっていて、我々自転車は少々不便を強いられる。なんとか1号線に合流し、静岡方面へ向かう。13:35には沼津駅の最寄りポイントを通過。
そろそろ昼食の時間だったので1号線で食事ポイントをさがす。ko-1はファミレスがいいらしく、30分ほど走ってから反対車線にガストを発見。迷わずそこへ向かった。飲み物や荷物を心配しつつ、入店。
自転車旅行で最も不安なことのひとつがこの駐輪である。荷物を荒らされたり、盗まれたり、ドリンクにいたずらされたりしないかいつも不安になっている。幸い、今までそのようなことをされたことはないが…。
ガストで30分ほどゆっくりしてから、ふたたび1号線を富士市へ向けて走っていく。4月のタイムと比べても2時間遅れなので出発の時間差を考えれば妥当なペースだろう。富士川を渡るまでが少々ややこしいので私はあまり好きではない。また軽車両は通行止めになるからだ。

−静岡県富士市へ− −静岡まで47km−
国道1号線をこのまま走っていくと富士川を越えて交通量の多いバイパスに入り、脱出不能になってしまうので、程よいところで道からはずれ、県道を走っていくことにした。
これがまた意外と距離があり、時間をとられた。また、市街地でもあるため、路肩が狭く、歩道の段差も多いので走りづらいところでもあった。
富士川は突然現れた。少し急になったと思ったら、目の前に鉄橋のようなものが見えてきた。富士川だった。その橋の向こうには山が見える。

−富士川−
地図で見たとおりの地形だった。そして右手には、富士山が…今日は曇っていて見えなかった。富士川到着は15:50、走行距離は120kmであった。
4月はここで富士川沿いに走り、新幹線の下をくぐって南に向かい、新幹線との写真を撮ったのだが、今回は寄り道せずに進むことにした。
橋を渡って突き当たりを左折し、のどかな町並みを抜けて、由比へ向かう。
東海道線と並走しながら、走っていく。途中、由比の手前にまぎらわしいY字路があるので注意。右方向が大きな道だが、左方向が由比駅方面だ。具体的な場所はちょっと言葉ではいいにくいが…。さて、そんな分かれ道も無事に過ぎると、東海道の宿場町、由比駅へ到着。
漁港として有名で、サクラエビが名産のようだ。いたるところで売っていた。
由比駅到着は16:35。走行は131.4kmだった。
私たちは由比駅前の公園で休憩。日も傾きかけ、これから走りやすい時間帯である。トイレに行き、外の水道で顔を洗った。500mLのペットボトルにちょくちょく移し替えて飲んでいた、家から持ってきた2Lのペットボトルも、そろそろ底をつき始める。
ここまで来てしまえば静岡はもう間もなくだ。由比を過ぎるとすぐに海岸沿いを走る国道1号線と合流する。ここは片側2車線なので、車が猛スピードで右側を疾走していく。しかし、道路自体は直線で路肩も広く、単に走るということだけに限れば走りやすい。

−由比を過ぎてここから1号線に合流− −海岸沿いのバイパス沿道から−
さて、この先もすぐにバイパスが始まり、軽車両は排除される。3kmほど前から軽車両用に予告表示が続いた。しかし、バイパス始まる手前まで1号線から出る道がなく、大してそれらの標識は役に立っていないんじゃないだろうか。
さて、無事1号線から降りられたところで、防波堤沿いに走る細い道を走っていく。やがてバイパスをくぐり、一般道路に出て清水市へ向かう。小さな坂道を越えたところでいよいよ市街地の雰囲気をかもし出してきた。
この辺りから路肩も広い道が始まり、自転車も走りやすくなった。大きなビルも目立ち始め、清水は目の前だという感じだ。
1号線は右折する交差点で、私たちは左折して清水駅に向かう。特に用事はなかったが、静岡県に入ってやっと大きな駅にきたので、とりあえず寄ってみようという感じだった。静岡に向かおうと駅前のロータリーを回ったら、ふとお茶屋さんが目に入ってきた。せっかくの自転車旅行なので、途中に立ち寄ったところのお土産を買っていくのも悪くないと思い、とりあえず静岡茶を買った。
ここのお茶屋のお姉さんはなかなか気さくな人で、どんなお茶がおすすめか丁寧に説明してくれた。缶入りは缶の代金が含まれているし、幅をとるので今のパッキングには邪魔になりそうだったので、袋入りを買い、しかも京都まで数日かけていくといったら、サービスでアルミの袋に入れてくれた。こんな人の温かさに触れることが出来るから旅はやめられない。
お茶を買ったら静岡へ向かう。先ほどの交差点を直進し、静岡方面へ。
後はほとんど直線。道は広かったが、多少路面状態が悪く、振動が激しかったように思う。今日はすでに長距離を走っていたのでさすがに手に負担がかかる。

−清水駅前ロータリー− −清水駅−
静岡までは清水から10kmほど。1時間もしないうちに到着。清水から静岡までの間、車のディーラーがとても多いことに驚かされた。両車線にあらゆるメーカーのディーラーがあり、聞いたこともないようなメーカーもあった。静岡駅の北口に到着。懐かしい景色だった。ここの噴水で少し休憩。
さて、1号線は静岡駅の北側にあったが、せっかく静岡に来たので、静岡らしい写真を撮るために南口へ回った。静岡は電車が高架を走っていて、高架をくぐれる場所がいたるところにあるので、実に便利な街である。電車によって交通が分断されていないところがよい。日も落ち、写真が撮りづらかったが、とりあえず写すことは出来た。この時点で18:25、走行154kmであった。
暗くなってきたので、ここからはライト点灯で走行することになる。早速昨日買った白色LEDのペンライトを試してみた。確かに明るかったが、前照灯としてはあまり役にはたたないようだ。
1日目の野宿が静岡とだけしか言ってなかったせいか、ko-1はここがゴールだと思っていたらしく、これからまたさらに走ることなど予想だにしていなかったという感じだった。実際、私もこのあと、あれだけ走るとは思っても見なかった。
1号線に戻り、安倍川を越える。その途中、キャリアと荷物の間に挟んでいた板が落下するというトラブルがあったが、幸い後ろを走っていたko-1が気づき、事なきを得た。荷物を後ろに積んでいるという関係上、落し物については気付かないことが多いので、今回は助かった。
夜の食事を検討した結果、とりあえず今食べておいて、野宿ポイントで各自軽く食べることにした。
安倍川を渡ってすぐのマクドナルドで安く上げる。
マクドナルドの時点で曲がるべき分岐店を過ぎていたのに気づかず、その先に分岐点があるのだと思い、先へ進んでしまった。しかし、この先は何もないような雰囲気だったので引き返すことにした。何より安倍川から結構走っていたからだ。地図によれば安倍川を渡ってすぐを左折と書いてあったので、私たちは引き返した。今日初めての引き返しである、が、幸いにも大きな引き返しはこれが最初で最後だった。
国道150号線を走り、バイパスは走れないので海岸沿いの道を走る。用宗駅が見えたが、もう日も落ちていて、静かで異様な雰囲気だった。
ここから上りに入る。ここで大きなミスを犯していたことに気づく。地図読みが甘かったため、峠道だということに気づかなかったのである。国道は一旦海の上を走り、断崖の様な斜面に沿うように続いていた。しかも街灯などなく、遠くから聞こえる風の音や小波の音が不気味さをいっそう引き立てていた。そこからは清水の街だろうか、海岸沿いの街の明かりが遠目にみえた。さすがに危ないのでテールランプをつける。車はほとんどバイパスのほうを通るが、数台は行き来していたからだ。
そんな道もすぐに終わるだろうと思っていたが、意外に長い上りだった。勾配が結構きついが、これまでの疲れがあっても押して歩かなければならないほどではなかった。一度下りに入ってしまえばあっという間だった。
途中、道路の脇に自転車とテントを見たが、私たちと同じ旅の人だろうか。
前方に焼津の街が見えてきた。下りが落ち着いたところでコンビニの前で一旦止まった。そこでバイクに乗ったおじさんが話しかけてきた。聞くと、この近くに銭湯があるとのこと。営業時間は21時までだそうだ。この時点で20:30だった。とりあえず私たちはその銭湯に向かう。すぐに見つかり、自転車から荷物を取り出し、いざ入店。…しかし、閉店15分前の今となっては入場券の販売が終わっていて、残念ながら風呂に入ることは出来なかった。意気消沈した私たちは風呂をあきらめることになった。ko-1はここのロビーで野球を見ていこうと言ったので、巨人戦を少し見て撤収することにした。
風呂に入れる可能性があって入れないとなると余計に入りたくなるものであるが、私は公園の水道があるらしいのでそこで我慢することにする。いや、我慢というよりむしろ「旅」を実感できるからちょっとやってみたかったりもする。
さて、野宿ポイントの石津浜公園へ向けて再び自転車に乗る。途中サークルKが見えたので今夜の食料を買った。来月で閉店するらしく、店員さんもなんだかやる気がなさそうだった。
焼津の市役所を通り、防波堤沿いをひた走る、二回ほどちんぷんかんぷんなところに迷い込んだが、無事に石津浜公園らしき公園にたどり着いた。防波堤の手前に公園があり、ベンチがあったが、結局防波堤の影に寝床をつくることにした。浜で花火をやってる人たちがいたので、彼らが通りそうな階段付近を避けた。ここで21:55、今日の走行距離は180kmであった。
自転車を止め、ゴミ袋を敷いて早速寝袋をセットした。現金や携帯など、盗られると死活問題になるものは寝袋の中に入れて寝ることにした。防波堤と自転車の間にはまるような形でセッティングした。
落ち着いたところで、私はトイレの脇の水道へ行き、髪の毛と上半身を洗った。シャンプーや石鹸類はすべて持ってきたので、不自由はしなかった。が、トイレは明かりに誘われた虫たちがわんさかいたので恐ろしくて行けなかった。
明日用のTシャツに着替え、寝袋に入って寝る。
…ところが、今回は初野宿である。簡単に寝られるわけがない。
私たちが寝てるそばを原チャリが通ったり、人が通るたびに驚いたりして、落ち着いて寝られなかった。しかも雨がぱらぱらと降ってきた。顔にぱらぱらと降ってくる雨粒が、眠ろうとしている私の気を散らせる。今日の雨は一度止んだらもう降らないという予報だったので、私は天気を呪った。何度も寝返りを打って、眠りに就くのを待っていた。
最後に時計を確認したのは1:30。おそらくこの辺りでやっと寝られたのだろう。

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