丹沢秦野サイクリング
<2003.8.24 Sun>

−丹沢湖 湖畔にて−
今年の夏休みはちょっと大きな試験があったので、去年のように京都に行ったりと長期の自転車旅行はできなかった。
その代わりと言ってはだが、神奈川県内の未開拓地へ行ってみることにした。さすがに資金の関係もあるので、日帰りということにはなっていた。
横浜川崎あたりは都会で、夏走るにはちょっとつらいので、目標は西へ。候補としては、小田原、熱海、丹沢あたりだ。この中から、以前車でも行ったことのある丹沢湖へ行ってみることにした。
今回も、京都へ共に走ったko-1を誘った。当日はいつもの藤沢市用田で待ち合わせ。
天気は真夏の快晴。朝から暑く、昼間の暑さを想像すると、先が心配であった…。
自宅を6:30に出発。富士山へ行ったときと同じように、246号線のルートを走っていく。
用田でko-1と合流した後、早速西へ走り出す。今回は日帰りであったので、荷物は最低限しか持ってこなかった。ウェストポーチに、パンク修理セットとタオル。かなり軽い装備である。食料や水は現地で調達すればいいので、準備段階では特に用意していなかった。
今回の道のりは…
藤沢市→国道246号線→松田→山北道の駅→丹沢湖→秦野峠→寄→国道246号線→帰宅
というルートである。山北道の駅の手前までは富士山へ行ったときと同じルートなので、道路に関する詳しいことは富士山の記録を参照していただきたい。
夏休み最後の日曜日ということもあってか、道路はかなり混んでいたように思えた。
また、夏休みにあった試験の影響で全くといっていいほど運動ができず、体力の低下が心配だった。その心配は秦野トンネルを抜けるあたりで早くも現実となった。坂を上っている途中で、だんだんと疲労が蓄積してきた。この先、丹沢湖までの上り、さらには秦野峠への上りと、二つの大きな上り坂が控えているというのに、このような状態では先が思いやられた。
いつものように、3つの大きなアップダウンを過ぎ、8:50に松田駅に到着、走行距離は39km。軽く休憩をして再び246号線へ合流し、山北方面へ。次のチェックポイントは山北道の駅。山北と名乗ってはいるが、実際は御殿場線山北駅の隣の駅、谷峨駅が最寄である。
今年山北を走ってみて驚いたのは、山北バイパスができあがっていたこと。京都に行ったときも、まだ工事中であったのだ。私たち自転車も通行不可にはなっていなかったので、そのまま走っていくことにした。路肩はそれほど広くないので、右側を高速で走り抜ける大型車に煽られながらも、走っていった。それでも、旧道の路肩に比べればかなり幅広く感じる。というよりも、旧道の路肩が狭すぎたのだと思う。路側帯の白線上を走らないとガードレールにぶつかってしまいそうなくらいで、しかもその白線には凹凸があって、自転車ではまともに走れない。そんなこともあり、我々自転車ユーザーにも恩恵が受けられる珍しいバイパスであると言えるだろう。
さて、そんなバイパスを抜けると、まもなく谷峨駅が左手に見えてくる。はるか頭上に東名高速を見ながら進むと、丹沢湖への分岐点にたどり着いた。ここを右に入っていき、道なりに走っていくと、まもなく山北道の駅が見えてきた。休日ということもあり、野菜などを売るお店が出ていた。ドライバーやライダーもたくさん集まっていて、賑わっていた。私たちはトイレを済ませ、少し休憩した後、丹沢湖へ向かって走り出した。この時10:15、走行距離は自宅から52.3kmであった。
さて、川沿いに上り坂を走っていく。ここから丹沢湖まではずっと上りである。しばらくはゆるい上り坂をゆっくり走っていった。途中、「この先最後のガソリンスタンド」という看板が目に留まった。丹沢湖にはガソリンスタンドはないらしい。
しばらくして、恐ろしいほどの急勾配が姿を現した。富士山でもこんな急勾配があっただろうか。標識はなかったので具体的な数字はわからないが、少なくとも10%以上はあるかと思われる。あまりの急な坂に、途中から自転車を押して歩いた。
そんな恐ろしい坂も長くはなく、少しずつ上っていき、トンネルを抜けると、丹沢湖が目前に見えた。いよいよ到着。とりあえず、丹沢湖ビジターセンターへ向かう。ビジターセンター到着は11:00、走行距離59km。ビジターセンターでは、丹沢のいろいろな展示を行っていた。自然、環境、行政などなど。私たちもせっかくなので、見学させていただいた。
ここで少しゆっくりしていると、お腹がすいてきた。ちょうど時間も正午近くであった。とりあえず、丹沢湖周辺で食事ができるところを、案内のおじさんに聞いてみた。すると、丹沢湖の真ん中あたりに、飲食店が何軒かあるとのこと。私たちは、丹沢湖を一周する形で、その飲食店がある場所へ向かった。
ビジターセンターを出てまもなく、記念に丹沢湖の写真を撮った。そのとき、湖畔で遊んでいる人たちがたくさんいることに気付いた。私たちも自転車を置き、湖畔へ降りてみることにした。
ちょうどそこは小さな沢が流れ込んでいるところで、水遊びを楽しむ人がいた。私たちも裸足になって水に入り、疲れた足を癒していた。足だけでも、水につかればかなり涼しく感じるものだ。
−丹沢湖を望む−
少し湖畔で遊んだところで、自転車を走らせる。丹沢湖を反時計周りにぐるっと半周するように走った。途中は林道のような道であったが、ところどころ車がおいてあったので、車は走れるようだ。ただ、一方通行だったような気がしないでもない。ちょっと記憶があいまいなのでどちらか断定はできない…。
さて、ポタリング気分で走っていると、丹沢湖を分断するように架かっている橋を渡り、役所のようなところの前に、飲食店を発見。消化のいいものが食べたいということで、ソバ屋に入ることにした。
やはりこういうところは物価が高く、昼食で1000円近く使ってしまった。このお店のお父さんらしき人がだるそうに対応していたのだけが妙に記憶に残ってしまった。夏休みの書き入れ時に家族に手伝いを強制させられているかのようだった。…別に同情するわけではありませんが(笑)
さて、その後は水と氷を調達して、秦野峠へ向かい、寄へ抜ける。ビジターセンターを出発したのは13:50、走行距離は67kmであった。地図上では距離はおよそ14kmで、その半分が上りと判断。つまり、最悪の状況になっても3時間あれば抜けられる計算。…最悪の状況とは、あまりに疲労がたまり、押して歩く以外に方法がない時である。引き返すという手段もあるが、これはさすがにくやしいのでやりたくなかった。が、ここは携帯電話が通じないので、あまり無理はできなかった。応援を呼ばなければならないような状況になってしまっては、どちらかがふもとまで引き返して、連絡しなければならないからだ。
そんな心配はさておき、私たちは林道へ入っていく。しばらくすると、勾配はきつくなり、早くもペースが落ちていく。秦野峠到着予定時刻は15:30くらいと見積もっていたが、これはまず不可能だろうと思っていた。
林道へ入ってしばらくは木陰もあり、真夏の日差しもなんとなくやわらかに感じられた。…やわらかといっても、真夏は真夏。日光にあたれば、たちまちのうちに体温が上がる。

−林道入口にあった案内図−
まもなくすると、ゲートが見えてきた。これは、林道への車両の進入を防止するためのものだ。過去に林道への不法投棄が問題となり、車両の通行が基本的に禁止となった。丹沢の林道の多くが、このような措置をとっている。一部の心無い人たちの行動のために、こんなゲートを作らなければならなくなったかと思うと情けない。ゲートは道幅いっぱいに設置されているため、車はまず通れない。我々自転車は、脇の隙間…というか、ゲート外側の隙間から自転車を通して、先へ進んだ。
丹沢に来るまでにもかなり体力を消耗していたので、ここからさらに急勾配の林道を上っていくとなると、相当の覚悟が必要だった。私たちは途中、何度も何度も休憩をしながら、少しずつ進んでいく。見上げると、はるか先に道のようなものが見える。おそらく、その遠いところまで進んでいかなければならないのだろうかと自問自答しながら、またあの道は別の道で、本当はもっと楽な道を通るに違いないとも思いながら、真夏の直射日光に照らされ、自転車を押していた。と、突然、背後からエンジン音が聞こえてきた。振り返る間もなく、私たちのそばをバイクの二人組が颯爽と通過していった。「あぁ、エンジンがついてたらなぁ」と本気で思った瞬間だった。と同時に、どうやってゲートを通ったんだろうとふと疑問に思ってしまった。まぁきっと私たちと同じようにゲートの横から抜けてきたのだろう。
さて、時間は夏の午後3時。もっとも暑さを感じる時間帯だと言ってもいいかもしれない。気温はゆうに30℃を超えており、強烈な日差しが照りつけてくる。
途中、あまりの暑さで気を失いそうになった。そんなとき、林道の脇に小さな滝…何と表現すればいいのだろう、身長くらいの小さな滝…が現れた。体中が火照っていて、顔をさわってみると、かなり熱くなっていた。また、手持ちの氷は全て使い切ってしまったので、何か冷たいものが欲しかった。そんなこともあって、私はそばに自転車を置き、真っ先に水の中に走った。
…冷たい水がこんなにも気持ちいいものだと思ったことがあっただろうか。あまりの暑さに頭がぼーっとしてたものがすっきりした。山の水ということもあって、水温はとても冷たい。氷の入っていたカップで水を汲み、頭や腕にかけた。この滝がどれだけ救いになったからわからない。
水で体を冷やしただけであったのだが、元気を取り戻した。ここまで復活するとは思わず、自分でも驚いた。この先残りの道を進んでいく。このあたりから右にぐるっと回るように道が走っている。途中、工事車両が林道の外に置いてあるのが何度か見えた。このあたり、まだ工事の途中なのだろうか。ふと後ろを振り返ると、いままで走ってきた道がはるか下の方に見えた。これはきっと、下にいるときに見上げた道だろう。かなりゆっくりだったが、確実に進んでいることを実感させられる瞬間だ。
すると突然、道は下りに変わった。いままで、強烈な上りだったので、つかの間ではあったが下りはまさに天国のようであった。一時的な下りが終わると、上りのヘアピンカーブが2箇所。特徴的なカーブだったので、地図上で現在地を確認することができた。…あと少しだった。さっきの下りで元気を取り戻したので、残りの上り坂はたいして負担ではなかった。
−相当な山道だった。来た道ははるか下− −下りになった−
まもなく、秦野峠が目の前に姿をあらわした。オブジェが建っている。この時点で16:00、走行76.1kmであった。林道は9km/約2時間という非常にゆっくりとした速度で移動してきたことになる。本日の最高所にきて、これからはもう下るだけなので、気が楽だ。秦野峠のオブジェにて写真撮影。
ここから、寄方面へ抜ける道を進む。わずかな上り坂を進み、いよいよ下り坂が始まった。ここから246までは一部を除きほぼ下り。爽快な道のりである。上ってきた時間に比べれば一瞬であるが、この下り坂があるからこそ、あの苦しい上りも上ってこれるというものだ。寄までは林道のため、上ってきた道と同じように、枯れ枝や小石などたくさんの障害物が落ちていた。下りのため、スピードを出して気持ちよく走りたいが、いかんせんカーブも多く、さらにその障害物があるので、うっかり転倒すると大怪我になりかねない。転ばない程度に、しかし、できるだけ速く、下っていった。普段、車道を走っているときと違って少々テクニカルなコースを走っているような気分を味わえるので、寄までの林道下りは楽しめた。
さて、林道の終わりには、丹沢方面にあったものと同じようなゲートがあった。私たちはゲートの横を慎重に通った。というのも、ゲートの片方は山肌に沿って通る隙間もなく設置されていたために、急斜面の逆側から通らなければならなかったからだ。写真を撮っておけばわかりやすかったかもしれない…。急斜面なので、うっかりバランスを崩したらそのままゴロゴロとかなり下の方まで落ちていってしまうだろう。
そんなことを考えていると、ゲートの林道側から、バイクがやってきて、その急斜面側から通っていた。ちょっとおっかない場面もあったが、少々強引に通過していた。
さて、ゲートの先は見慣れた景色だ。橋を渡り、丹沢清流荘の横を通過して寄へ。ここでは特に行くところはなかったので、ひたすら246号線へ向けて道を走る。
ここからずっと下りだと思い込んでいたが、実は上りも意外とあったので、精神的にまいった。でも、それほどの坂でもなかったので苦しくはなかった。
最後、246号線とぶつかる道は長い下りの直線になっていて、今回一番スピードが出るところである。車も来てなかったので、風をかわしながら、そして何よりも転倒や事故に注意しながら、下っていった。一分にも満たない一瞬であったが、やはりこういう瞬間も自転車に乗る醍醐味だと思う。
さて、246号線に帰ってきたら、交差点のセブンイレブンで軽く腹ごしらえをして、今朝来た道を走っていく。
246号線に戻ったのが16:45。走行90.4kmであった。ここからは、来た道を帰る。
かなり疲労がたまっていたが、帰りはもうひたすら走るだけなので、無心で進んでいった。
帰りは、かなり陽も傾き、走りやすい時間帯になってきた。
18:50に藤沢市用田に帰ってきた。ここからはko-1と別コース。各自帰路へつく。
-----------筆者より--------------
今回は、日帰りでしたが、猛烈な暑さと坂道で、相当つらいサイクリングとなりました。特に林道がいままでにないつらさだったのではないでしょうか。京都にも行き、自転車にはかなり自信があったのですが、まだまだ鍛えなければいけないなと身をもって知った今回のサイクリングでした。
やはり坂道に弱いことを身をもって知りました。自転車にもほとんど乗らない一般の方々よりも、もしかしたら弱いのではないかと思ってしまうくらいです。物理的な体力不足を、テクニックで補っているという感じでしょうか。
平坦な長距離を走る分には特に表面化してこないと思うのですが、今回のような急勾配の坂が長時間続くような道に対しては、いつも力の差を感じずにはいられません。
コースとしては、なかなか面白かったです。林道という、今までにない環境を走れたことはいい経験になりました。また、救援手段のない道だったので、無理せずどこで諦めるかという判断も重要なことだと思います。さもなければ、多くの人に迷惑をかけることになってしまいますから。
丹沢には、林道が多数整備されているので、他の林道も機会があったら行ってみようかと思う。また、さらにハイキングも組み合わせて、徒歩でさらに奥地へ行ってみるのもいいかもしれない。
個人的には、一度、沢の源流まで行ってみたいと思っています。今回は寄方面へ抜けましたが、玄倉方面など沢の源流まで行けたら面白そうです。
2004.5.28
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